『エロティック ハイク』佐藤紘彰編訳/スズキエミ画(IBCパブリッシング)

英語で書かれたセクシーな俳句の数々。俳句と言ってもその形式は様々であり、自由。

エロティシズムを題材としているけれど、どこかぽかんとした明るさがあるのが楽しい。

激しさと静けさ、幼さと成熟、ユーモラスと生真面目さという相反する魅力を持つスズキエミさんのイラストとの掛け合いが絶妙。

『たまもの』小池昌代著(講談社)

幼なじみの男に預けられた血の繋がらない「山尾」という男の子と暮らす「わたし」の日々。その根底に流れるのは、不安や死やエロスを含んだどんよりとした仄暗さ。

私は何故この本を繰り返し手に取るのだろうと考えると、究極的には、最後の光がパァーっと差し込むような感覚を味わいたいからなのだと思う。

曇り空に急に差し込むかのような、その光。